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目次
- 1 30代で転職する時におすすめの転職サイト一覧
- 2 プロに聞いた30代に役立つ転職サイトの選び方
- 3 【ベテランキャリアカウンセラー推薦】30代全般におすすめの転職サイト/エージェント
- 4 【ベテランキャリアカウンセラー推薦】30代で未経験の業種・職種にチャレンジしたい人におすすめの転職サイト
- 5 【ベテランキャリアカウンセラー推薦】結婚・出産などのライフイベントがある30代女性におすすめの転職サイト
- 6 【ベテランキャリアカウンセラー推薦】職業特化型のおすすめ転職サイト
- 7 【ベテランキャリアカウンセラー推薦】高収入・マネジメント職を目指す人におすすめの転職サイト
- 8 30代が転職サイトに登録する前にしておくべき3つのこと
- 9 30代の転職サイトの使い方 「やるべき」と「やってはいけない」とは?
- 10 仕事の量や責任の大きい30代はまず転職エージェントを活用すべき!?
- 11 実態調査で見る30代の転職。押さえておきたいポイントを専門家が解説
- 12 専門家がズバリ指摘!転職で失敗する、後悔する人の特徴
- 13 企業に求められる人材になるにはどうすればいい?
- 14 【まとめ】
「もう30代…将来が不安だし、新しい職場でチャレンジしたい」
「スキルや経験の幅を広げることで、より収入を得たい」
給与や待遇面で今の職場に満足できていない、あるいは、キャリアアップするなら今だという思いから、転職サイトの利用を考える30代は多いのではないでしょうか。
30代での転職は20代に比べると難しいといえますが、スキルや経験をアピールできれば十分にチャンスがあります。
ですが、結婚や出産など人生の大きなライフイベントが重なることの多いのも30代。
「転職に失敗できない」と不安もありますし、「せっかく転職するなら…」と考えたくなるでしょう。
そこで、数々の転職支援を成功させてきたキャリアカウンセラーの中谷充宏さんに、30代におすすめの転職サイトをタイプ別に紹介してもらいました。
専門家がわかりやすく解説する転職成功のためのポイントも必読です。

プロフィール
中谷充宏(なかやみつひろ)キャリアカウンセラー、社会保険労務士。
同志社大学法学部法律学科卒。新卒入社したNTT(日本電信電話株式会社)勤務後、1社転職を経て平成16年にキャリアカウンセラーとして独立。
依頼主から直接報酬をいただいてマンツーマンで転職を支援する、日本トップクラスの「転職のパーソナルコーチ」。米国MBAホルダーや代表取締役といったエグゼクティブ層から、転職回数が多い等のハンデを背負った層まで、幅広い方々の転職支援の実績あり。また社会保険労務士として多くの企業に人材採用業務の支援を行ってきたため、企業側の採用心理や実情も熟知しています。著書に「厳しい書類選考を確実に突破するための本」、「30代40代のための転職パーフェクトガイド」(秀和システム)等多数あり。
<運営サイト>
中高年の転職の悩み相談室
https://chuukounen.com/
30代で転職する時におすすめの転職サイト一覧
転職を考えている30代におすすめの転職サイトを編集部がピックアップしてみました。
その数は23サイト! まずはそれぞれの特徴を確認してみてください。
サイト名 | 掲載数 | 特 徴 |
---|---|---|
リクルートエージェント | 約150,000件 | 業界最大手、求人数が圧倒的に多い。 |
doda | 約100,000件 | 転職フェアなどのイベント開催もしている。 |
パソナキャリア | 約40,000件 | キャリアアドバイザーのサポート体制が手厚い。 |
マイナビエージェント | 約27,000件 | 20代・30代の求人案件が多く若年層の転職に強い。 |
JACリクルートメント | 非公開 | 外資系企業や海外進出企業の求人に強みあり。 |
Spring転職エージェント | 約17,000件 | 専門分野に精通したコンサルタントがそろっている。 |
クライス&カンパニー | 非公開 | 外資系のハイクラスの転職に強い。 |
レバテックキャリア | 非公開 | IT・エンジニア専門の転職エージェント。 |
MSエージェント | 約5,700件 | 管理部門や士業に特化した求人を多くもっている。 |
type女性の転職エージェント | 14,000件 | 女性に特化。転職サイト「女の転職type」も運営。 |
リブパートナーズ | 非公開 | 女性ならではのライフステージの変化に対応した求人多数。 |
ビズリーチ | 約63,000件 | 年収1千万を超える求人が全体の1/3を占める。 |
リクルートダイレクトスカウト | 約90,000件 | ハイクラス向けの転職スカウトサービス。 |
ハタラクティブ | 非公開 | フリーターや未経験者でも正社員求人へのサポートがある。 |
ウズキャリ | 非公開 | 若年層の転職に強く、手厚い就活サポートが評判。 |
DYM就職 | 非公開 | 就職未経験者でも求人探しからサポートしてくれる。 |
Geekly | 非公開 | IT・Web・ゲーム業界に特化した転職サイト。 |
ワークポート | 約45,000件 | ゲーム業界やエンジニアなどの求人が多く、分野的にも強い。 |
スタッフサービス | 約130,000件 | 人材派遣会社の大手。 |
Indeed | 非公開 | 求人情報に特化した検索エンジン。 |
とらばーゆ | 非公開 | 事務系に強い |
ミドルの転職 | 約130,000件 | 30代後半からの年齢層に特化したハイクラス転職サイト |
マイナビ保育 | 約70,000件 | 保育士に特化した求人を扱う転職サイト。 |
プロに聞いた30代に役立つ転職サイトの選び方
転職サイトは公募型、エージェント型を含めて数多くあります。
その中で30代の転職に役立つ選び方を中谷さんに教えてもらいました。
ポイントは、「自分がどういうタイプなのか、自分がどういう転職を望んでいるのかを知ってそれに合った転職サイトを選ぶ」ということ。
ここではタイプ別におすすめの転職サイトを転職のプロである中谷さんのコメントとあわせて紹介していきます。


【ベテランキャリアカウンセラー推薦】30代全般におすすめの転職サイト/エージェント
30代の場合、まだまだ求人数も多いので選択できる余地も大きいといえます。
そのため、まずは大手の転職サイトに登録をしておけば、比較検討ができて、ある程度の傾向も見えてくるでしょう。
また転職エージェントも多くの求人をもっている大手に登録すると紹介してもらえる確率が高くなります。
ただし大手だけではなく、できれば大手を含めて数サイトに登録しておくのがおすすめです」
リクルートエージェント
業界最大手で圧倒的な求人数を誇る。求人数が多く比較検討がしやすく、転職市場の現況についてもわかりやすいので、転職は初めてという人にもおすすめ。

POINT
リクルートが運営している転職サイトはいくつかありますが、30代が登録するなら、まずはこのリクルートエージェントでしょう。求人数が圧倒的です。
運営会社 | 株式会社リクルート |
---|---|
タイプ | 転職エージェント(大手) |
求人 | 約398,00件 ※公開非公開とも |
求人の多い職種 | IT・Webエンジニア |
営業職 | |
クリエイティブ |
マイナビエージェント
業界大手で20代、30代の求人に強い。幅広い求人があるのが特徴。強力にサポートしてもらいたい人には満足度が高い。

POINT
マイナビは若い人に人気がある転職サイトです。特に30代前半ならこちらもチェックしておいて損はないでしょう
運営会社 | 株式会社マイナビ |
---|---|
タイプ | 転職エージェント(大手) |
求人 | 約68,000件 ※公開非公開とも |
求人の多い職種 | 経営・企画・管理・事務 |
営業職 | |
IT・システムエンジニア |
インディード
求人情報の検索エンジン。業種や会社名などのキーワードと勤務地を入力すればそれにあった求人が検索できる。

出典:https://jp.indeed.com/?from=gnav-homepage
POINT
インディードは求人の検索エンジンですが求人広告も掲載されています。未経験可の求人をはじめとして数多くの求人情報を見たいのなら、まずインディードで検索をして、良さそうなところが見つかれば掲載元の媒体に登録するという方法もおすすめです。
運営会社 | Indeed Japan株式会社 |
---|---|
タイプ | 求人検索エンジン |
求人 | 数万件 ※毎月280万件以上追加 |
求人の多い職種 | ※Web上に公開した求人は自動的に掲載(ただしIndeedの掲載基準をクリアしたもののみ) |
【ベテランキャリアカウンセラー推薦】30代で未経験の業種・職種にチャレンジしたい人におすすめの転職サイト
職歴や学歴、またスキルに自信がないことで転職を諦めたり、30代になってしまったからといって未経験職へのチャレンジを諦める必要はありません。
しかし、未経験可の求人が多いのは30代前半が大半ということは要注意です。
- 比較的若い層の求人が多い大手サイト
- 未経験OKの求人が多いサイト
を組み合わせて使うなどの工夫をしましょう。
また30代で未経験の業種や職種にチャレンジをしたいのであれば、まずは自分の強みを知るために、転職セミナーなどの勉強会に参加することや転職エージェントのキャリアアドバイザー、転職のプロであるキャリアカウンセラーに相談することも視野にいれておくとよいでしょう。
マイナビエージェント
業界大手で20代、30代の求人に強い。幅広い求人があるのが特徴。強力にサポートしてもらいたい人には満足度が高い。

POINT
業界大手で30代の求人が幅広くある。サポートも手厚いので、未経験職に応募したいときにもピッタリです。
運営会社 | 株式会社マイナビ |
---|---|
タイプ | 転職エージェント(大手) |
求人 | 約68,000件 ※公開非公開とも |
求人の多い職種 | 経営・企画・管理・事務 |
営業職 | |
IT・システムエンジニア |
DYM就職
未経験可の求人も多く扱っている転職エージェント。書類選考無しで面接に進むことができる。登録できるのは30代前半までなので早めのチャレンジがおすすめ。

運営会社 | 株式会社DYM |
---|---|
タイプ | 職歴が浅い人向け |
求人 | 約2,500件 |
求人の多い職種 | 営業 |
企画・マーケティング | |
販売・サービス |
【ベテランキャリアカウンセラー推薦】結婚・出産などのライフイベントがある30代女性におすすめの転職サイト
女性向きの求人を多く扱う「女性特化」の転職サイトも増えています。
女性のライフイベントを考慮して企業を紹介してくれたり、求職者が話をしやすいように、女性のキャリアアドバイザーが多く在籍する転職サイトもあります。
とはいえ、かえって女性同士だとやりにくいという方もいると思います。そのあたりはご自身の感覚で、一般の転職サイトと上手に使い分けると良いでしょう。
とらばーゆ
女性に特化した求人を扱う転職サイト。女性ならではのライフイベントに合わせた求人に対応している。働きやすい環境を見つけたい女性におすすめ。

出典:https://toranet.jp/t/r/T100010s.jsp
POINT
女性向き転職サイトの老舗です。とらばーゆは事務系の求人に強いイメージがありましたが、コスメ、アパレル、医療など幅広い業種、職種の求人を扱っています。
運営会社 | 株式会社リクルート |
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タイプ | 女性に特化 |
求人 | 非公開 |
求人の多い職種 | オフィスワーク |
コスメ・アパレル販売系 | |
医療事務・医療 |
doda
業界大手で転職フェアなどのイベント開催も多数ある。サイトの中にWoman Career by dodaという女性専門サイトのページがあり女性が使いやすい。

dudaは一般転職サイトですが、実は女性向けの求人にも強い一面があります。女性向けの求人が豊富なので一度チェックしてみてください。
運営会社 | パーソナルキャリア株式会社 |
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タイプ | 大手 |
求人 | 約120,000件 ※公開非公開とも |
求人の多い職種 | 企画・管理 |
営業 | |
販売・サービス職 |
【ベテランキャリアカウンセラー推薦】30代後半の方におすすめの転職サイト
30代の後半になった途端、いきなり応募できる求人が減るということは少なくなってきています。しかし、現在も年齢制限があるのも事実です。
また、転職サイトについても、エージェント型の場合、30代後半になると登録しにくくなるというケースもあります。公募型の大手転職サイトにシフトする、または併用を考えてみてください。
ミドルの転職
ハイクラス向けの転職サイトで、年収1千万円以上の求人が1万件以上ある。40代以上が想定されているが、30代後半で高収入の求人を狙いたい人はトライする価値あり。

POINT
ミドルの転職は40代以上のハイクラスの転職サイトですが、30代後半で高待遇などの求人も狙えます。また技術職やクリエイティブなど専門職の求人情報も充実しています。
運営会社 | 株式会社エン・ジャパン |
---|---|
タイプ | 大手 |
求人 | 約10,000件 |
求人の多い職種 | 管理職 |
技術職 | |
クリエイティブ |
doda
大手サイトで、しかも求人情報だけでなく、人材紹介サービスもあり。転職フェアなどのイベント開催も多数ある。

運営会社 | パーソナルキャリア株式会社 |
---|---|
タイプ | 大手 |
求人 | 約120,000件 ※公開非公開とも |
求人の多い職種 | 企画・管理 |
営業 | |
販売・サービス職 |
【ベテランキャリアカウンセラー推薦】職業特化型のおすすめ転職サイト
職業特化型の転職サイトを使う背景は明快です。
たとえば看護師なら、看護師に特化した転職サイトを使うと早くて確実に決まるからです。
オールラウンダーの転職サイトにも看護師や保育士、介護士などの求人もありますが、数は少ないので参考程度にしかならないかもしれません。
職業特化型サイトではアドバイザーなども業界・職種を熟知しているため、マッチングが早く的確に行えることが多いといえます。
MSエージェント
管理部門・士業特化型のエージェント。求人の割合は非公開が90%を占めるので、MSエージェントでしか扱っていない求人が大半。
現在士業、管理部門の仕事をしている人にはステップアップも期待できるのでおすすめ。
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POINT
MSエージェントは公認会計士などの士業や管理部門に特化した転職エージェントで、求人数も豊富です。
運営会社 | MS-Japan |
---|---|
タイプ | 士業管理部門に特化 |
求人 | 約6,200件 |
求人の多い職種 | 士業 |
管理部門 | |
経理・財務 |
マイナビ保育
保育士の求人に特化した転職サイト。現在より好待遇の転職を考えている人におすすめ。求人数も多くサポート体制も手厚い。

POINT
株式会社マイナビが運営する保育士さんに特化した転職サイトです。求人数が多く、選ぶ時に比較検討しやすいでしょう。
運営会社 | 株式会社マイナビ |
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タイプ | 大手サイト |
求人 | 約20,000件 |
求人の多い職種 | 保育士 |
【ベテランキャリアカウンセラー推薦】高収入・マネジメント職を目指す人におすすめの転職サイト
高収入でしかもマネジメント職の転職を考えている人は、30代であってもキャリアを積んでいる人が多いでしょう。
その上でさらなるキャリアアップを考えている人にこそ、ハイクラスの転職サイトはピッタリです。特にエージェント機能がある転職サイトがおすすめです。
ビズリーチ
優良企業や一流のヘッドハンターから直接スカウトが届く機能があるハイクラスの転職サイト。キャリアアップを目指す人におすすめ。

POINT
求人数も多いハイクラス人材に特化した転職サイトです。30代でキャリアが豊富ならステップアップも期待できます。
運営会社 | 株式会社ビズリーチ |
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タイプ | 大手サイト |
求人 | 約69,000件 ※公開非公開とも |
求人の多い職種 | 経営幹部 |
管理職 | |
スペシャリスト |
リクルートダイレクトスカウト(旧:キャリアカーバー)
年収800万〜2000万円クラスの求人が多いヘッドハンティング型の転職サイト。
それなりのキャリアは必要だが、基本、会員登録後はスカウトを待つだけなので、現職が多忙でも転職活動ができる。

出典:https://directscout.recruit.co.jp/
POINT
リクルートが運営するハイクラスの転職サイトです。年収1千万以上の求人も多いです。ヘッドハンティング型なので登録したらスカウトを待つだけです。
運営会社 | 株式会社ビズリーチ |
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タイプ | 大手サイト |
求人 | 約69,000件 ※公開非公開とも |
求人の多い職種 | 経営幹部 |
管理職 | |
スペシャリスト |
30代が転職サイトに登録する前にしておくべき3つのこと
中谷さんによると、30代が転職サイトに登録する前に必ずしておきたいことがあるそうです。
1.転職理由や転職を決意するまでの経緯を整理する
「ひとつめは、転職の理由やそれに至った経緯を整理しておくこと、これは面接でも企業の担当者から必ず尋ねられますし、キャリアアドバイザーやキャリアコンサルタントにも聞かれます。
人それぞれいろいろな理由や経緯があると思いますが、わかりやすく伝えられるように整理しておきましょう」
2.自分の強みを知っておく
「同時に自分がアピールしたい点が客観的にみて本当に自分の強みなのかどうかも検証しておきましょう。
キャリアコンサルタントなどの専門家に相談すると、プロの視点でみてくれるので、自分でも気づいていなかった強みを教えてもらえることもあります」
3.Web応募の詳細を調べておく
「当たり前だと思われそうですが、案外ここでつまづく人も多いのです。
カンタン、気軽といわれる転職サイト登録から応募までの道のりですが、履歴書や経歴書などの書類作成は思いのほか大変だったりしますよ」

30代の転職サイトの使い方 「やるべき」と「やってはいけない」とは?
日頃からWebを使い慣れている30代には転職サイトの利用も簡単だと思われがちです。
ですが、意外な「やってはいけないこと」もあるそうです。
転職サイトを使うときに【やるべき】こと
自分の適性に合った複数の転職サイトを使う
これは後でも中谷さんのアドバイスをまじえて紹介しますが、公募型サイトと紹介型エージェント、大手と特化型などを組み合わせて使うことで成功率が高まります。
登録後の定期的な情報更新
転職活動は数ヶ月にわたる場合もあります。転職サイトに登録した内容が現在の自分に合っているかを定期的に確認しましょう。
転職サイトを使うときに【やってはいけない】こと
志望動機を使いまわす
同じ人間が応募するのですから、基本に同じ内容が入ってきます。しかしそれでも応募動機は転職サイトの性質を理解して、サイトごとに作成する必要があります。
登録しただけで満足して、あるいは気に入らないことがあって放置
転職に切羽詰まっていない場合、これはありがちですが、放置しているといざ応募する時に形式を間違えたり、別のサイトと混同したりして大きなミスも起こります。
また、サイトの担当者やキャリアアドバイザーが気に入らないからといって使わなくなるのももったいないことです。担当者変更などを打診してみましょう。
仕事の量や責任の大きい30代はまず転職エージェントを活用すべき!?

一般に<転職サイト>といわれているものは、実は2種類に分かれます。
- 自分で調べて応募する公募型(転職サイト)
- エージェントが間に入る紹介型 (転職エージェント)
です。
「30代の転職は、まずはエージェント型の転職サイトを使ってみることをおすすめします」と中谷さんはいいます。
転職を考えている人が実際に転職活動を行うには時間と労力を要します。まして普段仕事をしながら転職活動をするのは、仕事量が多くなり仕事上の責任も大きくなる30代には困難なことも多いでしょう。
「エージェントは転職のサポートをしてくれるプロなので、あなたに合った仕事先を紹介してくれる可能性が高いといえます。時には自分にはこんな仕事が向いていた、と気づかせてくれることすらあります」。
このように頼りになる転職エージェントですが実はデメリットもあるのだそう。
それはミスマッチが起こる可能性があるということです。
「エージェントは実はそれぞれ得意な分野があり、職種の方向性が定まっている場合があるからです。それが転職を希望する人と合致すればベストですが、そうではないことも。エージェントとのコミュニケーション不足が原因で、気乗りしない会社を選んでしまって後悔したというケースもあります」。
そういったデメリットを回避するためには、「エージェントを頼りつつキャリアコンサルタントなどの専門家の意見を聞くことも効果的」と中谷さんは言います。
「客観的に判断してアドバイスをくれる専門家の意見を聞くことで、思いがけない自分を発見できる場合もあり、それが転職活動に有効に働きます。
自分を知ることができれば、エージェントに譲れないポイントを主張ができますし、それによってミスマッチも防げるはずです」
つまり、30代の転職サイトの利用法としては、
- まずエージェント型の転職サイトを使い
- それが自分に合わないと感じれば、次に公募型の転職サイトを使う
という順序で使い分けるあるいは併用していくことがおすすめです。
実態調査で見る30代の転職。押さえておきたいポイントを専門家が解説
厚労省の「令和2年転職者実態調査の概況」から、30代の転職状況を読みとってみましょう。
転職しやすい業界や職種はどこ?
今後3年間の転職者の採用予定を見ると、「転職者を採用する予定がある」事業所(企業)の割合は 53.3%という結果です。
産業別にみると「建設業」「運輸業、郵便業」「情報通信業」などが多いです。
そして、以下は、「転職者を優先して採用したい」と「新規学卒者を優先して採用したい」と答えた業種をわかりやすくグラフにしたものです。
※出典:「令和2年転職者実態調査の概況」
また、「今後3年間に採用予定の職種」の回答をグラフにしてみると、次のような結果となりました。
「専門的・技術的な仕事」の割合が高く、こういった職種であれば転職しやすいとの見方もできます。

※出典:「令和2年転職者実態調査の概況」
そこで中谷さんに、30代で転職を考えている人にとっては、「採用の予定がある」「優先して採用したい」という業種を狙えば転職しやすいのか、また、「新規学卒者を優先して採用したい」と答えた業種への転職は難しいのかについてを聞いてみました。

「一般的には転職者を採用したい傾向があるともいえますが、実際は、『企業による』という答えになります。
というのも、電気やガスのインフラ系企業が新卒を積極的に採用する理由として、採用した人材を時間をかけてしっかりと育てるという仕組みが出来上がっているからです。JRなど運輸業も同様です」
このようにある意味年功序列がはっきりした企業では、辞める人も少なく、転職者を採用することも少ないということになるようです。
「また某地方銀行は、昔から新卒しか採用しないことで知られています。中途採用はありません。その理由は、企業文化として若い人を育てるという考えが徹底しているからです」。
そして、中谷さんは転職市場をみわたして、こうも言います。
「最近”ダイバーシティ”が提唱され、『多様性を認めましょう』といった風潮があります。しかし、多様性を受け入れない企業がまだまだ多いのも事実です」と中谷さん。
転職成功のためには、積極的に転職活動を受け入れている業界または企業なのかを見極めて応募するのが得策ということになります。そのためには求人を網羅した求人サイトの利用は有効といえるでしょう。
多くの人が答えた「自己都合」転職の実際の理由は…
次に、転職者が前職を退職をした理由として最も多い「自己都合」の内訳を見ていきましょう。

※出典:「令和2年転職者実態調査の概況」
30代前半と後半では順位では少し差がでていますが、
- 労働条件がよくなかった
- 賃金が低かった
- 会社の将来が不安
- 満足のいく仕事内容ではなかった
- 人間関係がうまくいかなかった
という、現状への不満や不満が、
- 他によい仕事があったから
- いろいろな会社で経験を積みたいから
というポジティブな理由を上回っています。
つまりは、現状打破のために転職を考えている人が多いということでしょう。
みんなはどんな転職活動をしている?おすすめの方法は?
転職した人のうち、転職活動を行った人の割合は30代では73%。そこで、実際にどんな転職活動をしたかのかを表したのが下の表です。

※出典:「令和2年転職者実態調査の概況」
そして、30代が行った転職準備活動の内容を表にしたものがこちらです。

この結果について中谷さんは、
「転職活動をしている人の多くがキャリアコンサルティングを受けたという結果は納得です。キャリアコンサルティングの場合は、コンサルタントが転職を希望する人を客観的に見て判断したアドバイスを行ってくれるので、自分では意識していなかった強みや意外な能力に気づけた方もおられるでしょう。
また上位にある『適性・適職診断』についても役に立つと思いますが、こちらは自分を客観的に見て申告できる人でなくては正確な診断が難しい可能性があることも心に留めておくとよいかもしれません。たとえば、自分自身では、人をひっぱっていくリーダータイプ、と思っていても、他人から見るとそうでもないということもありますから」
つまり、適性・適職診断は自分を客観的に見られる人でなくては受けてもプラスにはならない可能性があるということ。
しかし、キャリアコンサルティングの場合は、コンサルタントが転職を希望する人を客観的に見て判断したアドバイスを行ってくれるので、自分にはない強みや意外な能力に気づける場合もあるそうです。
また、転職のために資格や免許を取得することに関しては、中谷さんは「資格取得や勉強をすることは大切ですが、それが転職活動においてものすごくプラスになるのかといえば実はそうでもありません。
たとえば「簿記の資格を取りましたが経理は未経験です」という応募者と「簿記の資格は持っていませんが経理を15年やっていました」という応募者では、採用担当者は実務経験者を優先する可能性が高いでしょう」という意見です。
より大切なのは、「日頃の仕事でいかにキャリアを積むか」だそう。語学が得意な人なら、それを日常的にブラッシュアップしていくことなどもこれにあたります。
転職の専門家からみると、日頃の仕事での心がけが転職成功につながり、ほんとうに自分に合う企業に転職できる可能性が高まるということでした。
専門家がズバリ指摘!転職で失敗する、後悔する人の特徴

せっかく転職を成し遂げたのに、新しい環境で働き始めると「こんなはずではなかった…」と感じる人もいるようです。
転職で失敗、後悔しやすい人の特徴について、中谷さんが3つのタイプを挙げてくれました。

「転職する」ということに関しての覚悟が足りない
「転職への覚悟」がどの程度だったかで転職後の状況は変わります。
「しっかり覚悟ができていれば想定されていた仕事に対して『こんなはずじゃなかった』と安易に思わないはずですし、逆に覚悟がないと、条件が良かったところでも『考えていたより仕事がハードだ』とネガティブな思考になってしまうでしょう」
結局、覚悟が足りていないと、理想と現実のギャップが大きく感じられて後悔するという結果になるといえます。
エージェントや採用担当者とのコミュニケーションが足りない
コミュニケーションが充分でないと、入社後に『こんなことは聞いていなかった』とエージェントや採用担当者に不信感をもってしまうこともあります。
エージェントや採用担当者とのコミュニケーション不足は自覚しにくい部分もありますが、特に給与や企業文化については、応募・入社前にしっかり確認するよう心がけましょう。
転職活動に対する認識不足
転職活動というものを深く考えずにスタートし、自分の意見がないまま、エージェントのいいなりになったり、流されてしまうと、転職失敗や後悔につながります。
転職するのは自分だということを肝に銘じて、たとえば自分が気になる会社、応募する会社、あるいは紹介された会社のことはできる限り自ら情報収集して自分なりに分析しておくといった姿勢が大切です。
企業に求められる人材になるにはどうすればいい?

「結論からいうと、必要なのは『本当のプロになる』ということです」と中谷さん。
「今いる場所でキャリアを積み、技術を磨き自身が『売れる人材』になれば転職は成功します。自身が本当のプロフェショナルになれば転職をしてその会社に1、2か月しかいなくても、次が決まるくらいになります。
つまりこういう人は、器(会社)には頼っていない。
器(会社)に頼るから文句も出るし後悔もすることになるんですね。逆に器(会社)を利用するくらいの気概を持つべきです」
企業に求められる30代になるためには、会社に依存せず、本当のプロになることを考えていきましょう。
【まとめ】
転職を考えている30代向けに、おすすめの転職サイトとその利用法、また転職を成功させるためのノウハウを転職の専門家であるキャリアカウンセラー中谷充宏さんに教えてもらいました。
さいごに中谷さんにポイントをもう一度おうかがいしたところ、
- 自分に合った転職サイトを使う。
- 転職サイトを複数利用して機会を増やす。
- 専門家のアドバイスを受ける。
- 求められる人材になるよう日頃から心がける。
という4点。
加えて、「現実問題として、年齢を重ねるごとに転職は難しくなっていく傾向があります。そのため動けるうちにチャレンジすることは良い結果を生むことにつながるでしょう。転職を考える理由はさまざまだと思いますが、基本、『どこへでも行く』という気概を持って転職をすることもありではないでしょうか」とのアドバイスも。
30代は転職のチャンスが大きい世代。転職サイトをうまく使いこなして転職を成功させましょう。
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