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目次
「女性の転職に強い転職エージェントはどこ?」
「女性の働きに理解がある企業を紹介してほしい?」
ライフイベントによる仕事への影響や、プライベートと仕事の両立など働く女性は不安が多いもの。
この記事では、専門家のアドバイスのもと女性求職者の採用事情などとともに、おすすめの転職エージェントを紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。

お話を聞いた人
曽和利光さん
株式会社人材研究所 代表取締役社長
株式会社リクルート人事部、株式会社オープンハウス、ライフネット生命保険株式会社で、人事・採用部門の責任者を歴任。
採用・教育・組織開発の分野では実務やコンサルティングを経験し、就活や面接対策セミナーの講師、情報経営イノベーション専門職大学客員教授なども務める。
2011年に株式会社 人材研究所を設立。人事歴約20年、2万人以上の面接を行った経験から、中途採用や新卒の求職者へ向けたメディアのコラムなどで精力的に情報発信を行う。
採用コンサルが語る!現在の女性の採用事情や働きについて
現実問題として、女性ならではのライフイベントによって働き方に影響が出ている女性は少なくありません。そして多くの場合、男性の方が安定してキャリアを積めています。
女性管理職の数も少ないですが、これは「男性を管理職にしたい」という企業側の意図というより、ライフイベントの影響をはじめ、管理職に就く条件に合う女性が少ないのが要因といえそうです。なお、部長クラスに抜擢される人のボリュームゾーンは30代後半ですが、この年代は多くの女性が出産する時期とも重なっています(※)。
一方で産休・育休や時短をはじめ、働く女性をサポートする制度が整ってきているのも事実。ダイバーシティの観点から、企業は特定の性別に限った採用はしませんし、法律でも禁止されています。「実力があれば性別は関係ない」と考える企業も多くあります。
採用コンサルが語る!女性の転職エージェントの選び方
転職エージェントには、求人数が多い大手転職エージェントから、特定の業界などに絞ってサポートする専門エージェントまでさまざまな種類があります。
これだけ種類があると「どれを選べばいいんだろう…」と悩んでしまいますよね。そこで女性が転職エージェントを選ぶときのポイントを採用コンサルタントに聞いてみました。
年代別の転職エージェントの選び方
まず20代前半の場合には、大手転職エージェントを検討したいですね。
20代前半は経験が浅いため、企業はポテンシャルを重視する傾向があります。まずは求人を多く保有している大手を使い、選択肢を増やすのが得策といえるでしょう。
一方で20代後半、30代など年齢が上がってくると、経験やスキルは個人で差が出てきます。ですから求職者の経験やスキルが活かせる企業選びや、希望条件にマッチしている求人紹介が必要です。そのような場合は、中小規模のエージェントを利用するのもいいと思います。
中小規模のエージェントは大手ほど求人数が多くありませんが、その分企業に対する理解が深かったり、採用担当者とのつながりが強かったりすることがあります。採用側としては、自社が求めている要件に合っている人材を紹介してくれるエージェントは信頼できるエージェントなので、「この人が紹介してくれるなら、一回会ってみようかな」と考えることもあるんです。
さらに40代以降になるとより求職者の価値が細分化して「一点もの」になるわけです。すると、「企業Aにとってはとても欲しい人材だけど、企業Bにはマッチしない」などのように、30代に比べてより企業選びが難しくなってきますから、40代や50代以降も中小規模の転職エージェントを利用してみるのがいいと思います。
ただ年代や経験の有無に関わらずですが、実際に使ってみないとわからないということはあると思うので、まずは使ってみるという意気込みも必要かもしれないですね。
【ケース別】転職エージェントの選び方
求職者によって、目指したい企業や職場環境は異なります。
お伝えするケースが今の気持ちにぴったりの人もいれば、複数のケースに当てはまる人もいるかもしれません。
- ケース1:行きたい業界・職種が決まっている場合
- ケース2:派遣も視野に入れた働き方を考えている場合
- ケース3:「とにかく働く場所を見つけたい!」場合
そもそも転職エージェントの選び方に正解はないので、ひとつのケースに絞れなくても大丈夫です。まずは自分の状況に少しでも当てはまるケースをもとに転職エージェントを選んでみてください。
ケース1:希望職種が決まっていれば、特化型がおすすめ
専門的な知識や経験をもっていて、転職で希望する職種が決まっている人は「特化型」の転職エージェントがおすすめです。特化型の転職エージェントはその領域の求人が多く、転職アドバイスもより具体的に受けられる可能性が高いからです。
一方で、未経験者であっても特化型が有利に働くケースがあります。
例えば「未経験から事務職を目指そう」と考え、バックオフィス系の職種に特化した転職エージェントを使ったとします。この場合、そのエージェントは事務職の求人を豊富に扱っているのはもちろん、事務職に合う人材の特徴も熟知しています。そのため「事務職の経験はありませんが、ご経験やお人柄的に向いていると思います」といったアピールを企業側にしてくれる可能性があるのです。
ケース2:紹介予定派遣を利用すれば、一つ上のレベルを目指せる
実際、多くの女性が派遣社員や契約社員として働いています。「行きたい企業はあるけど経験やスキルが足りない…」と悩んでいる場合には、紹介予定派遣を利用するのもひとつの方法だと思います。
紹介予定派遣とは、派遣期間終了後に本人と派遣先企業との合意が得られれば、その企業で正社員として働ける就業形態を指します。
求職者にとっては中途採用よりもハードルが低く、企業としても、その人の特徴などを見てから正社員として採用できるメリットがあります。
まずは派遣として働くことも視野に入れてみると、よりチャレンジングな転職が成功するかもしれないですね。
ケース3:「仕事の就きやすさ」なら女性向け転職エージェント
「仕事の就きやすさ」を重視するなら、女性向け転職エージェントの利用も考えてみるといいと思います。
多くの場合、総合的な転職エージェントに求人を出す企業は「男性でも女性でも可」としています。そのため単純に考えると、競争相手は2倍。一方で女性向け転職エージェントに求人を出す企業は、もちろん女性を採用したいと考えています。つまり競争率が下がるので、「内定に近づきやすい」といったメリットがあるのです。
女性におすすめ転職エージェント特徴・評判ーまとめー
「女性におすすめの転職エージェント」を紹介します。
ここまで紹介してきた大手転職エージェントや中小規模のエージェント、そして特化型も交え、それぞれの特徴をお伝えしますので、転職エージェント選びの参考にしてみてください。
エージェント名 | タイプ | 特徴 |
---|---|---|
リクルートエージェント | 大手 | 求人数が特に多い、転職支援実績No.1(※) |
doda | 大手 | こだわり条件の求人検索、スカウト機能が使える |
ビズリーチ | 大手 | 経験豊富な高いスキルがある人向け |
JACリクルートメント | 大手 | 管理職、外資系求人が豊富 |
マイナビエージェント | 大手 | マイナビ運営で20代向け求人多数 |
ハタラクティブ | 中小 | 未経験からの正社員転職向け |
type女性の転職エージェント | 中小 | 女性特化、メイクアップ講座あり |
リブズパートナーズ | 中小 | 女性特化、キャリア志向の女性向け |
MS Agent(MS-Japan) | 中小 | バックオフィス系職種への転職向け |
スタッフサービス | 中小 | 派遣、派遣から正社員転職が目指せる |
※厚生労働省「人材サービス総合サイト」における無期雇用および4ヵ月以上の有期雇用の合計人数(2019年度実績)2020年6月時点
リクルートエージェント

分類 | 大手総合型エージェント |
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特徴 | ・非公開求人を含めると20万件を超える求人数 ・転職支援実績No.1(※厚生労働省「人材サービス総合サイト」における無期雇用および4ヵ月以上の有期雇用の合計人数(2019年度実績)2020年6月時点) |
リクルートエージェントは、多くの利用者から「使いやすい」と評判の大手転職エージェントです。
利用者の年代も広く、未経験者向けからプロフェッショナル人材向けのポジジョンまで多くの求人がそろっています。扱う職種や業界も広いので、希望する仕事の紹介を受けやすいのもメリットです。
公式サイトへ→doda

分類 | 大手総合型エージェント |
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特徴 | ・全国対応 ・こだわり条件の求人検索、スカウトサービスも利用可能 |
dodaは、リクルートエージェントの次に利用者が多い転職エージェントです。dodaに登録すると、自分のペースで転職活動を進められる「求人検索サービス」を利用できます。もちろん面談後に転職活動のサポートも頼めるので、転職サービスが一挙両得で利用できる転職エージェントといえるでしょう。
ビズリーチ

出典:https://www.bizreach.co.jp/
分類 | 大手総合型エージェント |
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特徴 | ・即戦力採用に特化 ・経験豊富な高いスキルの求職者向け ・基本的には担当者は付かない |
ビズリーチは、他のエージェントや企業の採用担当者からスカウトが届く転職エージェントです。
エージェントからのスカウトに応えると、そのコンサルタントの転職サポートを受けられます。基本的には無料で利用できますが、有料プランに加入すると全てのスカウトの閲覧や返信が可能です。
公式サイトへ→JACリクルートメント

出典:https://www.jac-recruitment.jp/
分類 | 大手総合型エージェント |
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特徴 | ・管理職、外資系求人が豊富 ・ハイキャリア向け転職エージェント ・両面型のサポート |
JACリクルートメントは、年収500万円以上の求職者向けの転職エージェントです。
両面型を採用しているため、企業の内情をはじめ、応募企業のリアルタイムな情報を教えてもらいやすいのがメリットです。外資系企業への転職にも強いので、英文レジュメや英語での面接対策もばっちり行ってくれます。
※両面型:企業と直接つながって求人を集めている担当者と、求職者の担当者が同一である仕組み
マイナビエージェント

分類 | 大手総合型エージェント |
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特徴 | ・非公開求人を含めると20万件を超える求人数 |
マイナビエージェントは、20代の転職サポートに強みをもつ転職エージェントです。
就活サイト「マイナビ」の実績もあり、第二新卒や20代向けの求人が集まりやすい傾向があります。サポート期限を設けていないのも特徴のひとつ。コンサルタントとの面談をしてから、時間が空いてしまった後でも相談しやすいのがポイントです。
ハタラクティブ

分類 | 20代前半、未経験特化型エージェント |
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特徴 | ・サポート期限がない ・20代の中途採用人材の求人が豊富 |
ハタラクティブは、20代前半や社会人未経験者に特化した転職エージェントです。
利用者の3人に2人が「正社員経験なし」の未経験から就職を成功させています。企業に取材に行き、「おすすめできる」と判断した企業の求人しか扱っていない点も利用者から支持を集めています。
公式サイトへ→type女性の転職エージェント

出典:https://type.woman-agent.jp/
分類 | 女性特化型エージェント |
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特徴 | ・女性向け転職エージェント ・女性のための面接メイクアップ講座がある ・無料相談セミナーを平日・土曜日開催! |
type女性の転職エージェントは女性専門の転職エージェントです。
担当者は「販売・接客業・事務など」「個人営業・法人営業・海外営業など」「エンジニア・ヘルプデスク・Webディレクター・Webデザイナーなど」に分かれ、豊富なキャリアカウンセリング実績をもとに、女性ならではの悩みに寄り添ってサポートしてくれます。
リブズキャリア(リブズパートナーズ)
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出典:https://www.libinc.co.jp/libz-partners/
分類 | 女性特化型エージェント |
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特徴 | ・女性求職者のサポート実績が高い ・女性特化の女性向け転職サイト ・「事務職」「未経験」など求人特集あり |
リブズキャリアはおもに求人検索機能を備えた転職サイトのサービスを行っていますが、「リブズパートナーズ」と呼ばれる転職エージェントのサービスもあります。
リブズパートナーズは、管理職向けや上場前後のスタートアップなど、スペシャリスト向けのものが多く、年収600万円を超す求人も少なくありません。キャリア志向の女性向けの転職エージェントといえます。
MS Agent(MS-Japan)
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分類 | バックオフィス特化型エージェント |
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特徴 | ・管理部門・士業特化型エージェント ・転職決定率がNo.1(「人材紹介企業のブランドに関する調査」楽天インサイト、2019年3月) |
MS Agentは、バックオフィス部門に特化した転職エージェントです。
サポートの中心は関東・東海・関西の主要都市圏。おもに経理・財務、人事・総務、法務、経営企画をはじめとする事業会社の管理部門への転職、そして弁護士や公認会計士、税理士、コンサルタントなどスペシャリスト人材の転職を支援しています。
公式サイトへ→スタッフサービス

分類 | 派遣特化型エージェント |
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特徴 | ・派遣求人に特化 ・正社員になれる紹介予定派遣の求人の取り扱いあり ・事務系職種や営業、販売系職種に強い |
スタッフサービスは、派遣に特化した転職エージェントです。
紹介予定派遣の求人も多く、紹介予定派遣として働くと、派遣先の企業で正社員になるか仕事内容や職場環境を見極めながら働けます。スキルアップサポートの体制も整っているので、ExcelやWord、PowerPointなどのOA講座、ビジネスマナー講座なども受講可能です。
女性の転職エージェントの利用のコツと注意点
女性が転職エージェントを利用する際に知っておきたいコツと、注意点をお伝えします。
- 企業情報を担当者に細かく聞く
- ライフプランについては伝える必要はない
- 備考欄を活用して、担当者の希望を出す
- エージェントには本音を話す
- 不採用の理由を聞く
転職エージェントは無料で使えるサービスですが、せっかく利用するのであればできるだけ多くのメリットを受けたいですよね。
内定に近づくためにも、これからお伝えする5つのポイントをしっかり押さえておきましょう。
企業情報を担当者に細かく聞く
転職エージェントの担当者には、企業の情報を細かく聞くようにしましょう。転職エージェントは、企業の情報をたくさんもっています。そのため企業の面接官には聞きづらいような内容であっても、すぐに教えてくれる場合があるのです。
特に女性にとって気になる「男女比率」や「産休・育休の取得率」といった情報をもっている可能性も高いので、気になる情報があれば積極的に聞いてみてください。さまざまな情報が手に入ると、企業選びもスムーズに進みます。
ライフプランについては伝える必要はない
まず『公正な採用選考の基本』として、厚生労働省が法律をもとに次の二つの考えをもって採用選考するように事業主側に求めています。
- 応募者の基本的人権を尊重すること
- 応募者の適性・能力のみを基準として行うこと
そのためプライベートに関する質問をされることはありません。
一方で女性の場合はライフイベントなどプライベートな理由で転職を決めることもあるでしょう。
面接などで転職理由を伝える際はウソをつく必要はありませんが、自ら多くを語ってしまうと、採用に不利に働いてしまう可能性もあるので注意が必要です。
事実、企業としては産休や育休で社員が離れてしまい、人員が一時的に減るのはリスクと考えています。
備考欄を活用して、担当者の希望を出す
転職エージェントに登録する際に、そのフォーマットの「備考欄」などに担当者の希望を伝えるのもおすすめです。
基本的には、転職エージェントの担当者は選べません。担当者は自動的に割り当てられるため、場合によってはサポート経験が少ない担当者が付く可能性があります。こうしたリスクを下げるためにも、登録の際に担当者の具体的な希望を記載しておくのは有効な手段といえるでしょう。100%とはいえませんが、希望を考慮してもらえる可能性があります。
エージェントには本音を話す
転職エージェントには、できるかぎり「本音」を伝えましょう。ウソはどこかでバレます。
一方で担当者に本音を話し、信頼関係を築けていれば企業に自分のことを売り込んでくれる可能性も。ネガティブな転職理由をポジティブに伝える方法を教えてくれる場合もあるでしょう。
不採用の理由を聞く
面接で落ちてしまった場合には、転職エージェントの担当者に「不採用」の理由を聞いてみましょう。
そもそも企業が候補者を不採用にする際は、その不採用の理由とともにエージェントに伝えています。自分自身で転職活動を進める場合には聞くことが難しいため、不採用の理由を聞けることはエージェントを利用するメリットです。不採用の理由を知ると、今後の面接対策や企業選びなどにもプラスに働くでしょう。
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