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「毎月返済しているのに、どうして元金が減らないのかな?」
「いつになったら、返済が終わるんだろう・・・」
毎月コツコツと返済しても、元金が減らないと、このままの返済続けていても大丈夫なのか不安を感じる人は少なくありません。
ただし、いくらまじめに返済し続けていても、現状では改善は難しいといえます。改善するなら、何かしらのアクションが必要になります。
まず知っておきたいのは、借金の問題は決して解決できないものではない、ということ。
この記事では、借金の上手な返済方法やどうしても返済が難しい時の対処法について、紹介していきます。
借金の返済が難しいのは利息が原因!そのカラクリは?
毎月コツコツ、遅れることなく返済しているのに、どうして減らないの?と不安や焦りを抱いている人は少なくありません。
そもそも借金が減らない理由は、利息がかかるからなのです。
では、利息とは、どのようなものなのでしょうか?
利息とは、お金を貸した方が、元本に追加して受け取るお金のことをいいます。
それと似たような名前に金利がありますよね。そして金利とは、お金を借りた方が、借りたお金とあわせて支払う金額の割合のことをいいます。
つまり、いくら毎月コツコツ返済しても、利息分の支払いのみの返済している場合には、いつまで経っても借金は減らないことになってしまいます。
次に、その利息の仕組みについて、詳しく解説します。
利息の計算方法
まずは、月々の支払いにどれくらいの利息がかかっているのか、知っておくことが大切です。
利息の計算方法は「利息=元金(借入金額)金利(年利)÷365×借入日数(返済日数)」で導き出します。
たとえば、
で借り入れ、毎月の返済額を4万円、6万円、8万円としたときの1ヶ月利息は、どれくらい発生するのでしょうか。計算してみました。
返済額が少ないほどトータルの支払額が大きくなる
毎月の返済金額 | 返済回数 | 利息総額 | 返済総額 |
4万円 | 79回 | 1,158,176円 | 3,158,176円 |
6万円 | 44回 | 603,380円 | 2,603,380円 |
8万円 | 31回 | 413,045円 | 2,413,045円 |
シミュレーションにより、いつ完済できるのか、どのくらいの利息を支払うのかが分かりました。
毎月4万円返済したときと8万円返済したときの差は48回で実に4年もの差があることがわかりますし、そのときの利息の差は、トータルで745,131円にもなりました。
つまり、返済期間が長くなるほど、利息は増えていきます。利息を抑えたいなら、借入金を少なくすることはもちろん、それ以上に、できるだけ早く返済することが大切です。
リボ払いは要注意!
リボ払いとは、毎月一定の金額を返済する方法のことで、カードローンやクレジットカードで利用されている返済方法の1つです。
毎月の返済額が定額になるため、お金の管理がしやすくなります。
リボ払いを利用するときには、手数料と表示されているのですが、実は、これは金利のことです。
毎月定額で返済しているため気づきにくいのですが、日常的にリボ払いを利用して追加で融資を繰り返していると、利用残高はふくらんでいく一方です。
返済期間はどんどん長引いていきますし、期間が長くなる分、利息も増えていくことになります。
そうなると、いつまで経っても元金が減らず、利息ばかりを返済することになってしまいます。
返済のために他の金融機関から借金するは避ける
借金の返済が苦しくなると、その月の返済期限に間に合わせるため、ほかの会社から借りて返済することを考えるかもしれませんね。
しかしこれは、いわゆる自転車操業状態です。
このような場合、その月は返済することができても借入金は増えてしまい、いわゆる雪だるま式に借金が増えてしまうため、危険です。
上記のシミュレーションを振り返ると、200万円で4万円が捻出できずに他から借り入れて4万円を返済しても、元の借入先に支払った何割かは利息の支払いにあてられることになります。
元金4万円が減るわけではありません。
しかも、B社には新たに借りた「4万円+利息分」を返済することになります。さらに、返済が苦しくなることはあきらかです。
効率よく借金を返済するには?
借金を完済させるためのコツは、「できるだけ利息を払わないようにする」ことです。
利息を支払わないようにするなんでできるの?と思うかもしれませんね。どのような方法があるのか、下記で詳しく解説します。
返済計画を立てる
以下のようなステップで返済計画を立ててみましょう!
1.収入から返済可能な金額を算出する
まず、収入と支出がどのようになっているのか、把握しましょう。
このとき、使途不明金があるときは、何に使ったか思い出して、分からない出費があるのは問題です。無駄遣いの可能性があります。
今後はお金の流れが分かるよう、家計簿やアプリソフト等に記録しておきましょう。
また、お金の流れを振り返ることで、自分が何にどれくらい使っているのかを知ることができ、今後のお金の使い方を見直すきっかけにもなります。
簡単でいいので、下記のように表にしてみましょう。
収入 | 給料 | 27万円 |
支出 | 家賃 | 6万円 |
電気・ガス・水道 | 1万5000円 | |
インターネット | 5,000円 | |
携帯・スマホ | 5,000円 | |
その他の(サブスクなどの固定費) | 5,000円 | |
食費 | 5万円 | |
生活用品・日用品 | 1万円 | |
衣類 | 2万円 | |
交際費 | 3万円 | |
収入−支出 | 毎月の返済額 | 6万円 |
この場合は、6万円が返済可能であると分かりました。
2. 借入状況を把握する
次に、借り入れ状況を整理しましょう。毎月コツコツ返済していても、改めて書き出してみると、こんなに借りていたの?と驚くかもしれませんね。
リボ払いを利用している場合、驚きが大きいかも。
下記のようにシンプルな表でまとめるのがおすすめです。
借入先 | 元金(残高) | 金利 | 返済額 |
A社 | 100万円 | 15% | 3万円 |
B社 | 70万円 | 18% | 2万円 |
C社 | 30万円 | 15% | 1万円 |
合計 | 200万円 | ー | 6万円 |
1と2のステップを踏まえ、1で導き出された6万円の返済可能額を分配していきます。
借入額に比例し、A社3万円、B社2万円、C社1万円と分配しました。
3.いつ返済が終わるかシミュレーションする
ステップ2の通り返済したとき、ゴールを把握するために「いつ完済できるか」をシミュレーションします。
金融機関のサイトなどでは、「返済シミュレーション」があります。積極的に活用してみましょう。
繰上げ返済を利用する
ボーナスや臨時収入など、まとまったお金が入ったときには「繰上げ返済」をすることで、返済期間や利息を減らすことができます。
繰上げ返済とは、毎月の返済額とは別に、まとまった金額を返済することをいいます。
そのお金はすべて元本に充当されることになりますので、充てられた元金分の利息は支払わなくてもよくなるのです。繰上げ返済は、総支払額を減らすことに役立ちます。
繰上げ返済をするときには、コツがあります。
複数の会社から借りているときには、金利の高い借入先から支払うようにしましょう。
金利が高い分、多くの利息を支払っているからです。同じ金利のときには、利息がかさむ借入額が多いところから返済するようにします。
金利の低い業者に乗り換える
金融機関によって、金利は異なります。高い金利の会社から低い金利の会社へ借り換えることができれば、利息の負担は少なくなります。
複数から借り入れしているときは、1社ずつ借り換えるのではなく、「おまとめローン」も有効です。
借り換えの手間が省けますし、金利が下がる可能性もあります。
おまとめローンを取り扱っている会社にもよりますが、そもそも金利には金額による上限が法律で決まっており、借入残高が多いほど上限金利が下がります。
これを法定上限金利といいます。
(参考)法定上限金利
元本 | 上限利率 |
---|---|
10万円未満 | 20% |
10万~100万円未満 | 18% |
100万円以上 | 15% |
契約極度額800万円のアコムの場合、1万円~99万円は7.7%~18.0%、100万円~300万円は7.7%~15.0%、301万円~500万円は4.7%~7.7%、501万円~800万円は3.0%~4.7%と決められています。
ただし、おまとめローンは返済額を下げるほど、長期化するデメリットもあります。返済額は下げないまま、返済するようにしましょう。
副業や節約して返済にあてる
効率よく返済するためには、収入を増やすことも考えてみましょう。
具体的には副業をする、節約をする方法があります。
今はインターネット環境を利用したクラウドソーシングなど、自宅でできる副業が増えています。
たとえば、
など未経験や資格がなくても可能なものもあります。
自分の得意なことで稼ぐという方法もあります。
教える資格がある人なら、挑戦してもいいですね。
そのほかには、単発のアルバイトなどもあります。自分のできる範囲で探してみましょう。
節約といっても、返済は数年に渡ります。
無理しない程度に節約することを心がけてください。
- 携帯料金などはプランを見直す、格安スマホに乗り換える
- 電力会社やガス会社の契約先を見直す
などで、切り詰めなくても固定費は下げられます。
節約のなかで劇的にお金の流れが変わるのが、食費の見直しです。
外食やテイクアウトが多いなら、自炊の回数を増やしましょう。
買い物はコンビニではなくスーパーで。スーパーで買い物をするときには、底値で買えるよう、特売日をチェックしておきます。
ただ、無理は禁物です。できる範囲で取り組んでみましょう。
どうしても借金の返済ができないときは?
これまでにいくつかの方法を紹介しました。それでも返済が難しいときは、解決策として「債務整理」という方法があります。
債務整理とは、借金の減額や免除できる法的手続きのことであり、原則として、弁護士や司法書士を介して行います。
債務整理は、主に任意整理、自己破産、個人再生の3つです。
この中でも、もっとも広く利用されているのが「任意整理」です。
任意整理
自己破産とは異なり、裁判所などの公的機関を通さずに債権者(貸した側)と直接交渉を行い、借金の減額を図る解決方法。
具体的には、
などの交渉をすることで、月々の返済額を減らします。
ここまでお話しした通り、借金返済に悩む大きな要因は、利息の存在です。
ですので、この利息をカットすることで、
などのメリットがあります。
また債務整理の中では、デメリットや生活への影響が少ないのも特徴です。
一定の収入があれば多くの方は、任意整理によって借金問題の解決が期待できます。
実際に、年間推定100万人を超える方々が任意整理の手続きを利用しているとされています。
しかし、社会情勢の変化などで失業・休業を余儀なくされた方もいるかもしれません。
そういった方は、「自己破産」「個人再生」といった、裁判所を介して借金を減額・免除する手続きも検討しましょう。
自己破産
一部の債務(税金や一部の損害賠償など)を除き、すべての借金の支払いを免除してくれる法的手続きです。 ほぼすべての借金がなくなりますが、「家や車など一定以上の価値のある財産が没収される」「仕事が制限される」などデメリットも多い手続きでもあります。
個人再生
裁判所を通じて借金を5分の1~10分の1程度に減額できる手続きです。
任意整理よりも借金が大幅に減額でき、自己破産のように家や車を失わないのが特徴です。
ただし、一般的に3つの債務整理の中で、裁判所に認められるためのハードルが高い手続きでもあります。
これら債務整理共通のデメリットとして、信用情報機関に事故情報が残ってしまい、ローンやクレジットカードが使えなくなることが挙げられます。
「債務整理すべきか?」「3つの手続きのうち、どれを選ぶか?」については専門家である弁護士や司法書士とよく相談する必要があります。
弁護士・司法書士事務所などでは、無料で相談に応じてくれるところもあります。ぜひ活用してみましょう。
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